「閉店が決まったので、業務用冷蔵庫や製氷機をまとめて買い取ってほしい」「設備の入れ替えで不要になった食洗機やガスレンジに、少しでも値段をつけてほしい」そんな悩みを持つ飲食店のオーナーの方は多いはずです。
世の中には、業務用厨房機器を専門に扱う買取店から、法人の在庫や備品もまとめて引き取る大手リユース企業まで、様々な買取先があります。しかし、店舗ごとに得意な機器や出張エリア、取り外しや搬出の費用の扱いが大きく異なるため、選び方を間違えると手取りが減ったり、閉店の日程に引き取りが間に合わなかったりすることも。
この記事では、厨房機器を高く売りたい方に向けて、失敗しない買取店の選び方、利用できる主要な厨房機器買取店、売る前の準備、高く売るコツ、よくある質問まで徹底解説します。
厨房機器買取店の選び方|5つのポイント

厨房機器は大きく重いうえ、ガスや電気、給排水の設備につながっていることが多いため、買取額だけでなく撤去の段取りまで含めて店を選ぶ必要があります。次の5つのポイントをチェックしましょう。
1. 業務用厨房機器を専門に扱っているか確認する
業務用の冷蔵庫・冷凍庫・製氷機・コールドテーブル・食器洗浄機・ガスレンジ・フライヤー・スチームコンベクションオーブン・作業台・シンクなど、厨房機器の種類は多岐にわたります。中古厨房機器を自社で販売している専門店は、メーカーや年式ごとの需要を把握しているため、適正に評価してもらいやすくなります。一方で、家庭用のキッチン家電は対象外としている専門店もあるため、売りたい機器が業務用か家庭用かも確かめておきましょう。
2. 出張エリアと日程の融通を確認する
大型の厨房機器は自分で運べないため、出張買取が基本になります。全国に対応する店もあれば、関東や東海など特定の地域に絞っている店もあるため、店舗の所在地が対応エリアに入っているかを確認しましょう。ショッピングモールなどのテナントで搬出の時間帯が限られる場合は、深夜や早朝の作業に対応しているかも重要です。
3. 取り外し・搬出の費用と範囲を確認する
見積もりや出張費を無料とする店は多いものの、搬出費や取り外しの工事費を別途とする店もあります。ガス・電気・給排水の取り外しまで自社で対応するのか、どこまでが買取額に含まれるのかは店舗ごとに異なります。見積もりの段階で、作業の範囲と費用の有無を書面やメールで確認しておきましょう。
4. 閉店時の一括対応ができるか確認する
閉店や移転の際は、厨房機器だけでなく、食器や調理道具、テーブル・椅子・看板などの店舗什器もまとめて手放すことになります。店舗一式の買取に加え、値段のつかない品の引き取りや、原状回復・内装解体の工事、居抜きでの売却まで相談できる店を選ぶと、依頼先が少なく済みます。退去日が迫っている場合ほど、窓口を一つにまとめられるかが大切です。
5. 契約の条件を事前に確認する
特定商取引法の「訪問購入」にはクーリング・オフ(契約の解除)の制度がありますが、営業のため、または営業として結ぶ取引は適用除外とされています。飲食店が事業として設備を売る場合は、クーリング・オフで後から解除できない可能性があるため注意が必要です。くわしくは消費者庁の「特定商取引法ガイド」で確認し、買取額・搬出費・支払時期・キャンセルの扱いを契約前に確かめておきましょう。
利用できるおすすめの厨房機器買取店

厨房機器を専門に扱う買取店と、法人の在庫や備品もまとめて引き取る大手リユース企業を紹介します。
テンポス買取ドットコム

テンポス買取ドットコムは、東京都大田区の株式会社テンポスバスターズが運営する、業務用厨房機器・店舗用品の買取サービスです。中古厨房機器の販売店「テンポスバスターズ」を全国に展開するグループが運営しています。
冷蔵庫や製氷機、食器洗浄機、ガスレンジ、スチームコンベクションオーブンなどの厨房機器全般に加え、食器や調理器具、テーブル・椅子・看板などの店舗什器も買取対象です。家庭用の厨房機器は対象外としています。
買取方法は出張買取と持込買取の2種類で、出張は離島や遠隔地を除く全国が対象です。申し込むと地域の担当スタッフが現場で見積もりを行い、金額に納得すれば改めて日程を決めて搬出し、数日後に振り込まれます。見積もり・出張費・交通費は無料ですが、引き取りの際の搬出費用は別途かかります。
閉店時には、店舗一式の買取に加えて、原状回復や内装解体の工事、居抜きでの売却も相談できます。値段のつかない品は別途の引取料で処分でき、買取代金と相殺することも可能です。
閉店や移転で、店舗一式をまとめて手放したい方におすすめです。
| 店舗名 | テンポス買取ドットコム |
| 所在地 | 東京都大田区東蒲田2-30-17 サンユー東蒲田ビル(株式会社テンポスバスターズ) |
| URL | https://www.tenpos.com/kaitori/ |
厨房買取王

厨房買取王は、横浜市港北区に本社を置く株式会社SENNAが運営する、厨房機器の買取専門店です。出張買取は神奈川・東京・千葉・埼玉・茨城・栃木・群馬の関東全域と、静岡・山梨・長野が主な対象で、愛知や福島も相談に応じています。
厨房機器は1点から査定し、出張査定・見積もりは無料、査定額に納得できずに断っても料金はかかりません。成約すればその場で現金で支払われ、希望すれば振込も選べます。
連絡した当日の査定・買取にも、予約状況しだいで対応しています。機器の取り外しや搬出は自社のスタッフが行い、夜間や早朝の撤去、原状回復や内装解体の工事まで依頼できます。
関東周辺で急な閉店や移転が決まり、取り外しから原状回復までまとめて任せたい方におすすめです。
| 店舗名 | 厨房買取王 |
| 所在地 | 神奈川県横浜市港北区新吉田町171-1(株式会社SENNA 横浜本社) |
| URL | https://www.cyubo-king.com/ |
無限堂

無限堂は、名古屋市中村区に本社を置く名央産業株式会社が運営する、中古厨房機器の販売・買取店です。1982年に創業し、愛知県小牧市・大阪・東京の町田と足立に店舗を構えています。
出張査定は東京・愛知・大阪の周辺が中心ですが、北海道から鹿児島までであれば相談に応じるとしています。出張見積もりと査定は無料で、東京・愛知・大阪の近辺では引き取り時に現地で代金が支払われ、遠方の場合は後日の振込です。搬出作業は別途料金で対応しています。
買取の目安はおおよそ10年前までの機器で、動かない機器は買取の対象外です。LINE査定では、機器の全体と型番シール(銘板)の写真を送ると、より正確な査定を受けられます。
東京・愛知・大阪の周辺で、年式の新しい機器を専門店に売りたい方におすすめです。
| 店舗名 | 無限堂(無限堂厨房ネットショップ) |
| 所在地 | 愛知県名古屋市中村区竹橋町25-8(名央産業株式会社) |
| URL | https://mugendou-chubo.com/kaitori/ |
買取いちばん

買取いちばんドットコムは、名古屋市西区に本社を置くREPROZホールディングス株式会社が運営するリユースサービスです。名古屋・大阪・横浜にリユースセンターを持ち、法人向けに業務用冷蔵庫などの厨房機器も買い取っています。
ホシザキやフクシマガリレイ、大和冷機などの主要メーカーの機器を扱い、状態や年式を見極めて査定するとしています。出張買取の対象は愛知・岐阜・三重、東京・神奈川・千葉・埼玉、大阪・兵庫・京都で、出張費・査定費は無料です。
査定額に納得すればその場で現金で受け取れ(高額の場合は後日の振込になることもあります)、査定後にキャンセルしても費用はかかりません。名古屋市内なら最短30分で訪問し、即日回収にも対応しています。なお、厨房に設置された大型の冷蔵庫などの取り外し工事は有料です。
東海・関東・関西で、厨房機器と一緒に家具や家電などもまとめて売りたい方におすすめです。
| 店舗名 | 買取いちばん(買取いちばんドットコム) |
| 所在地 | 愛知県名古屋市西区砂原町43-2(REPROZホールディングス株式会社 本社・名古屋リユースセンター) |
| URL | https://ryouhinseikatsu.net/corporate_customers/kitchen_store/ |
トレファク法人在庫買取サービス

トレファク法人在庫買取サービスは、東京都千代田区に本社を置く東証プライム上場の株式会社トレジャー・ファクトリーが行う、法人向けの買取サービスです。同社はリユースショップを全国で300店舗以上展開しているとしています(2026年11月時点)。
移転や閉店に伴う厨房機器や備品をまとめて買い取っており、これまでに製氷機や業務用冷凍冷蔵庫、冷蔵ショーケース、フライヤー、業務用ガスレンジなどの買取実績があります。年式の古い品も相談でき、買い取れなかった品の処分も同時に依頼できます。
申し込むと担当者が訪問して1点ずつ査定し、見積もりは後日提示されます。成約後に品物を搬出し、代金は後日の振込です。グループの店舗やネットショップ、オークションなど複数の販路を持ち、流通経路が表に出ないよう配慮するとしています。
法人として、厨房機器と事務所の備品などをまとめて整理したい方におすすめです。
| 店舗名 | トレファク法人在庫買取サービス |
| 所在地 | 東京都千代田区外神田4-14-1 秋葉原UDXビル20階(株式会社トレジャー・ファクトリー) |
| URL | https://www.treasure-f.com/sell/corporation/ |
厨房機器を売る前にやるべき準備

査定と撤去をスムーズに進め、本来の価値どおりに評価してもらうために、売る前に次の5つの準備をしておきましょう。
1. 銘板でメーカー・型番・製造年を確認する
厨房機器の査定額は、メーカーと型番、製造年で大きく変わります。本体に貼られた銘板(型番シール)を見て、メーカー名・型番・製造年を控えておきましょう。銘板が汚れやすり減りで読めないこともあるため、保証書や取扱説明書が残っていれば、製造年や型番を特定する資料として一緒に用意しておくとスムーズです。ガス機器には適合するガスの種類を示したラベルが貼られており、経済産業省も、譲り受けたガス機器はガスの種類が合っているか確認するよう呼びかけているため、都市ガス用かLPガス用かもあわせて伝えましょう。
2. リース品でないか、所有者を確認する
リース契約で使っている機器は、リース会社の持ち物です。リース事業協会が示す契約書の主な条項でも、物件の所有権は引き渡しと同時にリース会社に移り、ユーザーは所有権を侵害する行為をしないとされています。機器に貼られた所有権の表示や契約書を確認し、リース品があればリース会社に相談してから売却を検討しましょう。
3. 庫内と外装を清掃し、においを取る
業務用の機器は毎日使うため、油汚れやほこりがたまりやすいものです。買取いちばんは、ドアパッキンのカビ、取っ手やパネルの手垢、排水口のぬめりなど衛生面に関わる箇所をとくにチェックするよう案内しています。冷蔵庫の庫内のにおいは査定額に影響する場合があるため、中身を空にして拭き掃除をし、しばらく置いてにおいを取っておきましょう。
4. ガス機器の取り外しは自分で行わない
ガス栓や配管につながったコンロやフライヤーなどを、自分で取り外すのはやめましょう。日本ガス協会は、ガス栓とガス機器を正しく接続するよう呼びかけ、案内している以外の接続方法はガス事業者・販売店に問い合わせるよう求めています。使わなくなったネジガス栓も、誤って開くと危険なためプラグを付けるよう案内しています。さらに、LPガス(プロパンガス)の設備の設置・変更工事のうち一定の作業は、液化石油ガス設備士でなければ行えないと法律で定められています。取り外しは、まず契約しているガス事業者・LPガス販売店に相談し、買取店に任せる場合は、ガス機器の取り外しまで対応しているかを事前に確かめておきましょう。
5. 点検記録簿・付属品・本人確認書類をそろえる
業務用の冷蔵庫や製氷機、ショーケースなど、フロン類を冷媒に使う業務用の冷凍冷蔵機器は、フロン排出抑制法の「第一種特定製品」にあたります。環境省は、売却時にはその機器の点検記録簿を売却先に引き継ぐ必要があるとしているため、保管場所を確認しておきましょう。棚板やスノコ、ドレンホース、鍵などの付属品もそろえておきます。また、古物営業法により買取には原則として本人確認書類が必要で、代理人が立ち会う場合は委任状を求める店もあります。
厨房機器を高く売るための7つのコツ

同じ機器でも、売るタイミングや出し方しだいで手取りは変わります。ここでは、厨房機器を少しでも高く売るための7つのコツを紹介します。
1. 閉店や入れ替えが決まったら早めに相談する
閉店が決まってから退去までの期間が短いと、買取・搬出・原状回復の日程調整が難しくなります。テンポス買取ドットコムは、退去日の2か月前ごろを備品や厨房機器の査定の目安として案内しています。入れ替えの場合も、購入先や処分業者に引き取りを頼む前に買取査定を受けると、処分するはずだった機器を現金化できる場合があります。複数店の見積もりを比べる時間を確保するためにも、閉店や入れ替えを検討し始めた段階で相談しておきましょう。
2. 撤去する前に、使える状態のまま査定を受ける
動かない機器は買取の対象外としている店があるため、電源やガスが通っている状態で動作を確認してもらうのが理想です。設置したままの機器の査定や取り外しに対応している店も多いので、自分で撤去してしまう前に査定を依頼しましょう。冷蔵庫なら庫内がきちんと冷えるか、製氷機なら氷ができるかを事前に確かめておくと安心です。
3. 製造から年数が浅いうちに売る
厨房機器は、製造から年数が経つほど値段がつきにくくなります。テンポス買取ドットコムは、製造から6年以内を高価買取の目安とし、10年を超えると値段がつきにくくなるとしています。ただし、ホシザキの製氷機やスチームコンベクションオーブン、大型の冷蔵庫など需要の高い機種は、10年を超えても買い取れる場合があるとしています。
4. 人気メーカーの機器は専門店に査定してもらう
テンポス買取ドットコムは、ホシザキ・パナソニック・大和冷機・マルゼン・タニコーなどのメーカー品に対応しており、買取いちばんも、ホシザキは中古の再販市場で特に人気が高いメーカーだとしています。中古厨房機器を販売する専門店は、こうしたメーカーの機種ごとの売れ行きを把握しているため、適正な評価を受けやすくなります。総合リユース店と専門店の両方で見積もりを取り、評価を比べるのも有効です。
5. 店舗一式をまとめて査定に出す
厨房買取王は、買取を依頼する商品の数が多いほど高価買取がしやすいとしています。冷蔵庫や製氷機だけでなく、作業台やシンク、食器、調理道具、客席のテーブルや椅子まで一緒に出すと、1回の出張で効率よく査定してもらえます。値段のつかない品の引き取りも同時に頼めれば、撤去の手間も減らせます。
6. 搬出費や引取料を差し引いた手取りで比べる
買取額が高く見えても、搬出費や取り外し工事費、値段のつかない品の引取料が別にかかると、最終的な手取りは少なくなります。見積もりを比べるときは、買取額から差し引かれる費用を含めた金額で判断しましょう。費用の内訳を書面やメールでもらっておくと、後からのトラブルも防げます。
7. 居抜きでの売却もあわせて検討する
厨房設備を残したまま次の借り手に店舗を引き継ぐ「居抜き」での売却も、選択肢の一つです。テンポス買取ドットコムは、居抜き売却によって厨房機器の価値を最大化できる場合があるとして、出店を検討している人への物件情報の紹介も含めて相談を受け付けています。ただし、居抜きでの退去には物件のオーナーとの調整が必要になるため、早めに管理会社に相談しましょう。
厨房機器買取でよくある質問

厨房機器の買取について、よく寄せられる疑問にお答えします。
リース中の厨房機器は売れますか?
そのままでは売れません。リース中の機器はリース会社の所有物で、リース事業協会が示す契約の主な条項でも、ファイナンス・リースは基本的に中途解約ができないとされています。
無限堂は、リースが終了した機器でないと買い取れないとしています。テンポス買取ドットコムは、いったん自分の所有物にする手続きをとれば相談できるとしているため、まずはリース会社に契約内容を確認しましょう。
動かない厨房機器でも買い取ってもらえますか?
店によって対応が分かれます。テンポス買取ドットコムは、軽い不具合や部品交換で直る機器、部品として価値のある機器なら故障内容しだいで査定するとしています。
一方、無限堂は動かない機器を買取の対象外とし、買取できる機器と一緒であれば有料で引き取るとしています。故障の内容を正確に伝えて、複数の店に問い合わせてみましょう。
個人や家庭用のキッチン家電でも売れますか?
業務用の厨房機器であれば、個人からの依頼を受け付けている店もあります。テンポス買取ドットコムは、法人だけでなく個人の依頼にも1点から対応しています。
ただし、家庭用の厨房機器は対象外としている専門店があります。家庭用の冷蔵庫や電子レンジを売りたい場合は、家電買取のおすすめ店の記事を参考にしてください。
値段がつかなかった機器はどうすればよいですか?
買取店によっては、有料で引き取ってもらえます。テンポス買取ドットコムは別途の引取料で処分に対応し、買取代金と相殺することもできるとしています。
業務用の冷蔵庫や製氷機などを廃棄する場合は、フロン排出抑制法により、フロン類を第一種フロン類充塡回収業者に引き渡す必要があります。また、事業者が産業廃棄物の運搬や処分を他人に任せる場合は、許可を持つ業者に委託するよう廃棄物処理法で定められているため、処分を頼む業者の許可も確認しておきましょう。
まとめ|早めの相談と撤去前の査定で手取りを増やそう

厨房機器の買取店を選ぶ際は、業務用厨房機器の専門性、出張エリアと日程の融通、取り外し・搬出の費用と範囲、閉店時の一括対応、契約の条件をチェックすることが大切です。全国で店舗一式をまとめて売りたいならテンポス買取ドットコム、関東で取り外しから原状回復まで任せたいなら厨房買取王、東京・愛知・大阪の周辺なら無限堂、東海・関東・関西で家具や家電もまとめたいなら買取いちばん、法人として備品も整理したいならトレファク法人在庫買取サービスなど、目的に合わせて選びましょう。
高く売るためには、閉店や入れ替えが決まったら早めに相談すること、撤去する前に使える状態で査定を受けること、製造から年数が浅いうちに売ることが重要です。リース品の確認やガス機器の取り外しの段取り、点検記録簿の引き継ぎといった準備も、スムーズな売却につながります。
使わなくなった厨房機器も、これから開業する飲食店にとっては心強い設備になり得ます。この記事を参考に信頼できる買取店を見つけて、納得のいく形で厨房機器を手放しましょう。


